この作品について
この作品は、海辺のジオラマのように見えて、実はケーキとして成立している点が最大の魅力です。そう言えるのは、砂色の岩山、綿毛のように浮かぶ白い雲、浅瀬から深い青へ変わる海、さらに切り分けた断面の中にまでクジラが入り込んでいるからです。しかも海は水のように見えるのに周囲へあふれておらず、見る人に「これはゼリーなのかもしれない」と想像させます。実際のケーキでは出しにくい3Dの美しい質感と、食べ物としての意外性を同時に味わえる作品になりました。
コンセプト
この作品で伝えたかったのは、「一見すると食べられなさそうなのに、見ているうちにおいしそうに感じてしまう」という驚きです。風景としての完成度が高いほど、ケーキだと気づいた瞬間のコントラストが強くなると考えたからです。そこで、スポンジのような地面の質感、透明なゼリーの海、ケーキの内部に入り込んだクジラという要素を組み合わせ、景色とスイーツの境界が揺らぐ構成にしました。ただ綺麗なだけで終わらず、思わず笑ってしまうような面白さを残すことを大切にしています。
苦労ポイント
一番苦労したのは、Midjourneyで理想の配置を崩さずに、この発想を成立させることでした。特に難しかったのは、クジラを切ったケーキの中へピンポイントで入れることと、ケーキサーバーの位置を自然に見せることです。狙い通りにいかない生成結果が続き、クジラが断面の外へずれたり、サーバーが不自然な角度になったりして、最終的には50枚ほど試行錯誤しました。その失敗を重ねたからこそ、「こんなに作り込まれているのに、ちゃんと食べ物に見える」というバランスに近づけたと思います。
さいごに
この作品に惹かれる人は、きっと綺麗な画像を一度眺めて終わるのではなく、その驚きや面白さをもう少し長く自分のそばに残しておきたいのだと思います。食べられなさそうに見える風景が、だんだんおいしそうに見えてくる感覚は、ただの鑑賞では終わらない強い体験だからです。好きだと思った瞬間を、着る、持つ、飾るという形で日常に持ち帰りたくなるのは、とても自然な気持ちです。もしこの作品を気に入っていただけましたら、ご購入いただけるとうれしいです。
