この作品について
まず目を引くのは、クリスタルの香水瓶を挟むように向き合う二匹のベタです。左には青みを帯びた冷たい光の魚、右にはピーチゴールドのやわらかな光をまとった魚を置き、色の対比だけで画面の緊張感をつくりました。縦にカットの入った透明な瓶、中央で光る金色のキャップ、尾びれから水しぶきへ変わっていく流れが重なることで、静物写真でありながら動きのある印象に仕上がっています。眺めるほど、香水と水、魚の生命感がひとつのかたちにまとまって見えてくる作品です。
コンセプト
狙ったのは、ラグジュアリーな広告の美しさに、自然の一瞬の揺らぎを溶け込ませることでした。整いすぎたガラスだけでは冷たくなり、魚だけでは装飾的に寄りすぎるため、両者をぶつけることで記憶に残るバランスを探しています。淡いブルーの背景に、透明感の強い香水瓶、そこへ青銀と桃金のベタが弧を描く配置にしたことで、左右の色温度が画面の奥行きを支える構成になりました。華やかなのに騒がしく見えないのは、透明素材と水の流れを主役に据えて、色数と視線の逃げ道を丁寧に整理したからです。
苦労ポイント
制作では、Midjourney特有の破綻をかなり細かく潰しました。最初はベタの尾びれがただの布のように見えたり、水飛沫がヒレから急に切れて別物になったり、香水瓶がガラス容器ではなく氷の塊のように崩れたりして、狙っていた一体感が出ませんでした。さらに二匹の位置関係も不安定で、片方だけが大きくなりすぎたり、キャップの形が毎回変わって高級感が落ちたりと、細部ほど難しかったです。そこから尾びれが液体へほどける質感、縦長のクリスタル形状、金属キャップの存在感を少しずつ調整し、ようやく“美しいだけでは終わらない広告的シュールさ”に着地しました。
さいごに
飾るための作品を探しているつもりが、実際には自分の感性を静かに代弁してくれる一枚を求めている方は少なくありません。まっすぐ立つ香水瓶の理性と、水へほどけるベタの尾びれの感情が同居しているため、この作品には華やかさだけでなく、その人らしい美意識を映す力があります。見るたびに透明感、色の温度差、飛沫の動きへ視線がずれ、単純なきれいさでは終わらない余韻が残ります。もしこの作品を気に入っていただけましたら、ご購入いただけるとうれしいです。
