この作品について
見上げた瞬間に不思議と笑ってしまうのは、この光景が愛らしいのに、どこか安心できないからです。理由は、丸く膨らんだサボテンが気球のように空へ浮かび、その下に小さな人々が吊られているという、可愛さと危うさが同時に存在する構図になっているからです。澄んだ青空の中には、大きな中央のサボテンを囲むように複数のサボテンが並び、それぞれの表面には長く鋭い棘がびっしりと描かれています。白いロープが下へ伸び、その先で人が小さくぶら下がっていることで、ただの浮遊表現ではなく、緊張感のある物語が生まれました。軽やかに見えるのに、決して無防備ではない。その矛盾がこの作品の魅力です。
コンセプト
この作品で描きたかったのは、かわいさと不安の共存です。なぜなら、人は無条件に安心できるものよりも、少しの危うさを含んだものに強く惹かれることがあるからです。サボテンは丸みのある形だけを見ればどこか親しみやすい存在ですが、本来は鋭い棘を持ち、近づきすぎると痛みを伴う植物でもあります。そのサボテンを空へ浮かぶ気球に見立てることで、夢のような軽さの中へ、現実的な警戒心を持ち込みました。下に吊られた人々は自由に空を飛んでいるようでいて、同時に非常に危うい状況にも見えます。かわいいだけでは終わらず、少しひやりとする感覚まで含めて楽しめることが、この作品の核です。
苦労ポイント
いちばん苦労したのは、サボテンの数と位置関係を意図した通りに整えることでした。理由は、Midjourneyで数を指定しても思った通りの数にそろわず、さらに配置まで崩れやすかったため、狙っていた緊張感のある構図がなかなか成立しなかったからです。特に今回は、ただ複数浮かんでいればよいのではなく、大きな中心のサボテンと周囲のサボテンがバランスよく配置され、しかもそれぞれの下に吊られた人物が危うく見える距離感をつくる必要がありました。近すぎると窮屈になり、離れすぎると物語性が弱くなるため、その中間を見定めるのにかなり試行錯誤しています。数の制御と緊張感の両立が、この作品で最も難しい工程でした。
さいごに
見ているうちに、この作品は単なるシュールな空想ではなく、自分の中にもある“惹かれるのに少し怖いもの”への感覚を映しているように思えてきます。理由は、丸いサボテンの愛らしさ、空の明るさ、そこに潜む鋭い棘、そして小さく吊られた人の不安が、一枚の中で見事に共存しているからです。多くの人はまだ自覚していませんが、ただ心地よいだけでなく、少しの刺激や危うさまで含んだ作品を手元に持ちたいという購買欲求を持っています。この作品は、その複雑な引力を軽やかに形にした一枚です。もしこの作品を気に入っていただけましたら、ご購入いただけるとうれしいです。
